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バーチャルリアリティによる無重力環境における空間識に関する研究
  (その2) 空間認知を誤る要因の解明<日本建築学会計画系論文集 No.563, Pp.85-92,2003年1月>
 青木宏文,大野隆造,山口孝夫
 
 仮想無重力内部空間における空間認知の誤りの要因を明らかにすることを目的として,前報その1で設定した連結形状の各変数に従い分類し,回転方向を考慮して選択したより複雑な形状について,より多くの被験者を用いた実験を行った。
 実験結果から,まずVRシミュレーションの有効性について再検討し,仮想無重力環境下において,空間の連結形状および自身の姿勢を把握する際に,重力方向が影響することは少ないことを確認した。そして,空間の形状および自身の姿勢を誤る主な要因は,曲折における自身の身体座標系の回転の誤認と,曲がる場所・方向・順序の誤認で説明できることや,左右方向に比べ,上下方向へ回転移動する場合の方が身体座標系の回転を誤認しやすいことを明らかにした。
 これらの分析結果から,個人によって,曲折における身体座標系の回転や,曲がる場所・方向・順序の誤りやすさの傾向が異なり,それらの誤りの対策として,曲がる場所・方向・順序を示すための局所的な視覚情報と,身体座標系の回転を把握しやすくするために空間全体の方向性を示す視覚情報を与える必要性を述べた。
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バーチャルリアリティによる無重力環境における空間識に関する研究
  (その1) 空間識とモジュールの連結形状の関係


<日本建築学会計画系論文集 No.558, Pp.71-77,2002年8月> 大野隆造,青木宏文,山口孝夫
 宇宙ステーションを想定した仮想の無重力内部空間をコンピュータグラフィックス(CG)により作成し,複数のモジュール(宇宙ステーションを構成する室)間を移動する際にその連結形状の違いが空間識に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。
 被験者は着座姿勢でヘッドマウントディスプレイを装着し、手元のコントローラ操作により擬似的な無重力空間内を自由に動くことができる。空間認知の難易に関わると考えられる,空間形状の曲折数,幾何学的面数,および身体姿勢を考慮した面数の各変数を仮説的に設定した。それらに従い空間の連結形状を系統的に分類し,その中から選択した形状を被験者に体験させ,空間構成の把握の仕方を調べるための模型組立実験と,空間内部における位置や姿勢の把握の仕方を調べるための方向指示実験を行った。
 その結果,各変数が増えるに従い実験の誤りが増える傾向が明らかになり,それらの変数を空間認知の難易に影響する要因として今後の実験で扱う妥当性が確認できた。また,曲折における回転移動により身体軸が回転しているにも関わらず,それを認識せずに誤った方向指示をしたり,空間形状の再構成では,身体軸を中心とした相対座標系と,出発点での姿勢を基準にした絶対座標系を混同することがあることが明らかになった。
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