研究紹介>視環境シミュレーション手法
移動時に環境から受容される視覚情報のシミュレーション方法による差異
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<2012年9月,日本建築学会大会 学術講演梗概集, pp.139-140> 大沼千佳, 諫川輝之, 大澤昭彦, 大野隆造
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本研究は、移動を伴うシミュレーションにおける映像の提示方法の差異が、視覚情報の受容にどのような影響を及ぼすのかを実験的に明らかにすることを目的としている。
環境知覚の受容を、環境視と焦点視に分類し、「動画像」と「連続静止画像」の提示画像において、「仮説1:動画像は連続静止画像より空間の印象に関わる環境視情報を受容しやすい」「仮説2:連続静止画像は動画像より要素的な対象に関わる焦点視情報を受容しやすい」について実験的検証を行っている。
実験は、2 つの提示画像の閾値を求め、提示画像による視覚情報の受容の差異について行われ、その傾向を環境視・焦点視に関する課題ごととアイカメラを用いた視線の動きの計測により仮説1・2 の検証をしている。両仮説を明らかにはできなかったが、小さい要素の検出結果から、動画像と連続静止画像で比較した場合、連続静止画像の方が焦点視情報を検出しやすい傾向が見られた。また与える課題により視覚情報の受容に違いがあることが確認できた。
詳しくはこちらをご覧ください → 梗概集PDF
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アプローチに伴う情景の光学的流動が到達した空間の印象に与える影響 |
東工大精密工学研究所佐藤研究室製作 D-Vision |
<日本建築学会大会 学術講演梗概集(E-1), Pp.1051-1052,2004年8月> 松岡洋介、大野隆造、添田昌志
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アプローチ空間の役割として、その目的地の空間に期待される印象を演出する効果がある。本研究では、アプローチ時に人が知覚する視覚像の変化(光学的流動)が、到達した空間の印象に影響を与え、その影響がアプローチ時に人が感じる高揚感と関係があることを系統的な実験によって明らかにすることを目的とする。
詳しくはこちらをご覧ください → 梗概集PDF
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視覚的な意識の広がりと街路空間の評価の関係
(その3) 建築的付加要素による圧迫感の軽減 |
東工大精密工学研究所
佐藤研究室製作 D-Vision |
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<日本建築学会大会 学術講演梗概集(D-1),Pp.713-714, 2003年 9月> 添田昌志,大野隆造
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現代の都市空間は建築物の高層化や過密化が進んでおり、人が周辺の建築から圧迫感を受けるなど心地よくない場合も多い。本報では前報の結果を踏まえ、高層建築による圧迫感を建築的付加要素によって軽減する可能性について実験的に検証し、高層で大規模な街路空間を心地よいものとするためのデザイン手法を提案することを目的とする。
詳しくはこちらをご覧ください → 梗概集PDF その3
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視覚的な意識の広がりと街路空間の評価の関係(その1、2) |
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<日本建築学会大会 学術講演梗概集(D-1),Pp.813-816, 2002年 8月> 米本由佳,添田昌志,大野隆造
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建築物の高層化や大規模化が進む現代の都市空間は、人間の体に対してあまりにも巨大で心地良くないものが多く なっており、これらをより親しみやすい空間にすることが求められている。
本研究は、街路幅や建物高さといった空間の物理的な寸法と心理的評価との関係を 明らかにした上 で、高層で大規模な街路空間を心地よいものとするデザイン手法として、アーケードや庇などの建築的付加要素によって意識される視空間
の広がりを限定することの有効性について実験的に検討することを目的とする。
詳しくはこちらをご覧ください → 梗概集PDF その1 その2
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バーチャルリアリティによる無重力環境における空間識に関する研究
(その1) 空間識とモジュールの連結形状の関係 |
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<日本建築学会計画系論文集 No.558, Pp.71-77,2002年8月> 大野隆造,青木宏文,山口孝夫 |
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宇宙ステーションを想定した仮想の無重力内部空間をコンピュータグラフィックス(CG)により作成し,複数のモジュール(宇宙ステーションを構成する室)間を移動する際にその連結形状の違いが空間識に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。被験者は着座姿勢でヘッドマウントディスプレイを装着し、手元のコントローラ操作により擬似的な無重力空間内を自由に動くことができる。空間認知の難易に関わると考えられる,空間形状の曲折数,幾何学的面数,および身体姿勢を考慮した面数の各変数を仮説的に設定した。それらに従い空間の連結形状を系統的に分類し,その中から選択した形状を被験者に体験させ,空間構成の把握の仕方を調べるための模型組立実験と,空間内部における位置や姿勢の把握の仕方を調べるための方向指示実験を行った。その結果,各変数が増えるに従い実験の誤りが増える傾向が明らかになり,それらの変数を空間認知の難易に影響する要因として今後の実験で扱う妥当性が確認できた。また,曲折における回転移動により身体軸が回転しているにも関わらず,それを認識せずに誤った方向指示をしたり,空間形状の再構成では,身体軸を中心とした相対座標系と,出発点での姿勢を基準にした絶対座標系を混同することがあることが明らかになった。 |
詳しくはこちらをご覧ください → 論文集PDF
街路景観に関するデザインガイドライン規定項目の有効性
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<日本建築学会大会学術講演梗概集(E-1),
Pp.909-910,2002年8月> 中島光平、添田昌志、大野隆造
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近年、市街地の景観に関わるデザインガイドラインを定め て建物のデザインを物理的に統制し、街並みのアイデンティ
ティを付与する試みが行われている。更地から街全体を計画する際に定められる開発型のガイドラインでは
、建物の色、開口部の大きさ、高さ等の建築的諸元を具体的に規 定しているが、種々の規定項目には明確な根拠がなく、計画事例によってその定められ方はまちまちである。
本研究は、開発型のデザインガイドラインにおける種々の規定項目が、街路景観の統一感や多様さなどの心理的評価に及ぼす影響をシミュレーション実験によって明らかにし、デザインガイドライン規定項目の有効性を検討することを目的とする。
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歩行動作と連動する視環境シミュレータを用いた距離知覚に関する研究 |
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<日本建築学会計画系論文集 No.550, Pp.95-100,2001年12月> 大野隆造,片山めぐみ,小松崎敏紀,添田昌志 |
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本研究では歩行動作と連動する視環境シミュレータを開発し、 それによって経路を移動する際に知覚する空間構成要素とその歩行者の距離知覚 との関係を定量的に明らかにすることを目的とする。
まず、開発した実験装置の 有効性を実験により検討した後、距離知覚に影響を及ぼす要因とされている視覚的 要因のうち、視空間容量の変化、経路両面の立面の視覚的煩雑さの2要因を取り上げ、
模型で経路空間を作ることによってそれらを操作し、距離判定を行った。
その結果、 視覚的環境要因と知覚距離との関係を定量的に求めることにより、空間の広がりや空間の 煩雑さが知覚距離に影響していることが実験的に明らかになった。 |
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環境要素としての人の流れや滞留が経路認知に及ぼす影響
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<日本建築学会大会 学術講演梗概集(E-1),Pp.827-828,2000年 9月> 大澤昭彦,青木宏文,添田昌志,大野隆造
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本研究は、動的な環境要素としての歩行者が経路認知に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、コンピュータグラフィックスによって作成した、街路上を人が歩いたり留まっている仮想空間において経路探索行動実験を行った。その結果、多くの人は経路上に人の流れがある場合にはそれによって経路を記憶すること、人の流れがノイズとなり周辺の固定的な環境要素の記憶を阻害する場合があること、人が滞留することによってその場所の記憶が強化される場合があることが明らかになった。 |
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視覚情報が方向の再認識に及ぼす影響
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<日本建築学会大会 学術講演梗概集(D-1),Pp.791-792,2000年 9月> 添田昌志,大野隆造
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本研究は、HMDを被った被験者が模型空間内を自由に擬似歩行できる視環境シミュレータを用い、 建物内部(図書館)の2層にわたる経路においてエレベータによる上下方向の移動直後の地点における空間に方向性を与える
視覚情報を系統的に変化させた3つの設定の元で経路探索実験を行った。
その結果、個人の経路探索の成績の良し悪しは 環境から手がかりとして抽出する視覚情報に依存し、空間に方向性を与える視覚情報として窓の配置は色の異なる壁面の配置に比べ
より多くの人に有効であることを明らかにし、分かりやすい空間としては、個人の特性と環境のあり方による違いを考慮した上でより 多くの人に有効な視覚情報を配置する必要があることを示した。
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ガラス面を構成面にもつ空間の囲まれ感に関する実験的研究 |
<日本建築学会大会 学術講演梗概集(D-1) Pp.759-760, 1998年 9月> 原啓一郎、添田昌志、大野隆造
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本研究は、近年、多数見られる透明建築の透光性・透視性に着目し、多くのガラス面により構成される空間が人間の心理、特に囲まれ感にどのような影響を与えるかを把握することを目的とする。
人間は頭部の回転や身体の移動を通して三次元的に空間を知覚しており、特に光沢があり、像を映し込むガラス面の知覚の上でそれが重要である。そこで、知覚と行動が連動する視環境シミュレータを製作し、ガラス面の配置と構成を系統的に変化させた全15通りの縮尺模型空間を対象に、昼間・夜間を想定し光条件を変えて、マグニチュード推定法による空間の囲まれ感の評定実験を行った。
その結果、被験者の感じる囲まれ感と物理的な空間構成との関係を定量的に明らかにした。
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