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研究紹介>環境>屋内移動空間

商業施設の店舗ファサードおよび通路形状が歩行時の視行動と印象評価に与える影響

<日本建築学会大会 学術講演梗概集, Pp.147-148, 2014年 9月> 伊藤慎太郎, 諫川輝之, 大澤昭彦, 大野隆造

 本研究は商業施設の商品の見落としやすさの観点から、通路形状と店舗ファサードによる空間構成の違いが人の視行動に及ぼす影響について実験的に明らかにすることを目的としている。
 実験内容は、各空間構成に設定し た経路を歩行するCGアニメーションを被験者に見せ、店内にある指定した商品を探索させたものである。1 つの空間構成に対し、1種類の商品を複数探索する状況と3種類の商品を複数探索する状況を用意した。ター ゲットの個数は、経路歩行時に視野内に入る店舗の個数の2倍とし、視認可能な範囲の店舗にランダムに配置 した。探索の際、アイカメラを被験者に装着して計測し、印象評価を行った。
 実験結果から以下3つの知見が得られた。1)奥が見通せない空間であるほど回遊性が高く、オープン型ファサードの方のような、ある程度店舗内の見通しがきき、左右を交互に見て、全体を見渡せるような空間が探しやすい傾向がある。2)曲がり角のある先を見通せない空間の方が連続的に続く空間よりも検出率(ターゲットを見つけた人数 の割合)が低く、見落とされやすい傾向がある。3)垂直な壁の方が平行な壁よりも可視時間が長く、 検出率が高い。
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妊婦が他の歩行者から不安を感じる状況の定量的分析
<日本建築学会計画系論文集 No.680,Pp.2339-2344, 2012年 10月> 
大野隆造、高山友紀、添田昌志、小林美紀
本研究は妊婦が街で他の歩行者との接触や転倒によって重大な結果至ることに対する不安感について、影響する要因を明らかにすることを目的とする。妊婦と妊娠していない女性(女子学生)を対象にアンケート調査と映像提示による実験を行った。その結果、妊婦が妊娠していない女性に比べて街の中で不安をより感じていること、歩行状況の違いによる不安と歩行者流率により定量的に表現した混雑具合との関係、すれ違う状況での回避初動作距離と不安感の関係、曲がり角での他者との衝突までの時間と不安感の関係を明らかにした。

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 地下街における経路探索時の不安感に着目した空間認知に有効な環境要因に関する研究
<日本建築学会大会 学術講演梗概集(E-1)pp. 727-728,2010年9月> 東 卓男,坪田 慎介,大野 隆造
 本研究は、イメージした経路と実際に眼前に現れる経路の情景との不一致から生じる不安感を指標として、地下街における空間認知に有効な環境要因を実験的に明らかにしようとしたものである。
 実験は実際の地下街で行い、あら かじめ設定した経路を教示・案内した後、2往復の経路探索実験を行った。その結果、遠くから確認できるような環境要因(この場合赤いゲート)を手掛かりにすると、不安を感じにくい傾向にあることが分かった。
 また、探索実験 の試行回数による不安感の増加回数はa) 早期減衰型b) 減衰型c) 変動型の3 種類に分類でき、早期減衰型の多くの被験者は赤いゲートを手掛かりとして回答している一方、変動型の被験者は赤いゲートを手掛かりとしていないことか らも、遠くから確認できる環境要因が不安の解消に役立つことが明らかになった。
 
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交差する経路における車椅子利用者の挙動に関する研究  
<日本建築学会大会 学術講演梗概集(E-1)pp. 579-580,2008年 9月> 日比谷朱子、大野隆造
 バリアフリー新法や自治体の条例では、公共空間における安全な通行に必要な通路幅といった基本的な基準は設定されているが、経路の交差、他者の存在など、実際的な状況については考慮されていない。車椅子利用者がより快適に外出できる環境を整備するためには、これらの実際的な状況における行動の特性を把握する必要がある。
 本研究では、空間の形状、交通量、見通しが異なる経路を実際に移動してもらう実験を行い、記録した行動を詳細に分析することにより、移動時における車椅子利用者の周辺環境の捉え方及び行動の特性について調べる。
車椅子利用者の行動に関する既往研究では、アイカメラを用いて移動時の注視特性を調べた結果や、ビデオ撮影により特徴的な挙動を抽出した結果が報告されている。これらを含む車椅子利用者の行動を調べた実験の多くは、健常者が車椅子を使用した擬似的な実験である。しかし、車椅子利用者の環境の捉え方や移動の特性は、それまでの日々の生活の中で築きあげられたものであると考えられる。従って、本研究では、車椅子の利用暦が十分に長い被験者(11〜17 年)に依頼し、実験を行った。

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地下鉄駅における主観的な移動距離および深さに影響する環境要因
 
 

<日本建築学会計画系論文集 No.610,Pp.87-92,2006年12月> 大野隆造,小倉麻衣子,添田昌志,片山めぐみ

 近年、東京都心における地下鉄駅は新しい路線が建設される度に地下深くに位置するようになり、利用者の移動経路は従来にも増して長く、深くなってきている。従来から地下の閉鎖的な空間は、人々に閉塞感や不安感といったネガティブなイメージを抱かせる傾向があることが指摘されており、また、地下鉄利用客に対する調査 では、乗り換え駅の選択において移動経路の長さが考慮されていると報告されている。したがって、快適な地下空間を作るためには、移動の長さや地上からの深さをあまり感じさせないような経路のデザインについて検討する必要があると考えられる。
 本研究では、地下鉄駅において、移動の手段や経路の構成、空間のデザインなど、主観的な移動距離や深さの評定に影響を及ぼすと考えられる環境要因を明らかにすることを目的とする。

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複数の曲折を含む経路を移動する際の方向把握に関する研究  
<日本建築学会大会 学術講演梗概集(D-1),Pp.903-904,2004年8月> 添田昌志,大野隆造

 我々は空間を移動する際、自身の進行方向や出発した場所の方向など、空間における大まかな方向を把握することができ、またそれを目的地への移動や経路を選択する為の手がかりとして利用することができる。
 本研究は、複数の曲折を含む経路を移動する際の方向把握について、それが曲折回数や曲折角度の組み合わせによってどのような影響を受けるのかを実験的に明らかにすることを目的とする。

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バーチャルリアリティによる無重力環境における空間識に関する研究
  (その2) 空間認知を誤る要因の解明
 
<日本建築学会計画系論文集 No.563, Pp.85-92,2003年1月> 青木宏文,大野隆造,山口孝夫
 仮想無重力内部空間における空間認知の誤りの要因を明らかにすることを目的として,前報その1で設定した連結形状の各変数に従い分類し,回転方向を考慮して選択したより複雑な形状について,より多くの被験者を用いた実験を行った。
 実験結果から,まずVRシミュレーションの有効性について再検討し,仮想無重力環境下において,空間の連結形状および自身の姿勢を把握する際に,重力方向が影響することは少ないことを確認した。そして,空間の形状および自身の姿勢を誤る主な要因は,曲折における自身の身体座標系の回転の誤認と,曲がる場所・方向・順序の誤認で説明できることや,左右方向に比べ,上下方向へ回転移動する場合の方が身体座標系の回転を誤認しやすいことを明らかにした。
 これらの分析結果から,個人によって,曲折における身体座標系の回転や,曲がる場所・方向・順序の誤りやすさの傾向が異なり,それらの誤りの対策として,曲がる場所・方向・順序を示すための局所的な視覚情報と,身体座標系の回転を把握しやすくするために空間全体の方向性を示す視覚情報を与える必要性を述べた。
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バーチャルリアリティによる無重力環境における空間識に関する研究
  (その1) 空間識とモジュールの連結形状の関係

<日本建築学会計画系論文集 No.558, Pp.71-77,2002年8月> 大野隆造,青木宏文,山口孝夫
 宇宙ステーションを想定した仮想の無重力内部空間をコンピュータグラフィックス(CG)により作成し,複数のモジュール(宇宙ステーションを構成する室)間を移動する際にその連結形状の違いが空間識に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。
 被験者は着座姿勢でヘッドマウントディスプレイを装着し、手元のコントローラ操作により擬似的な無重力空間内を自由に動くことができる。空間認知の難易に関わると考えられる,空間形状の曲折数,幾何学的面数,および身体姿勢を考慮した面数の各変数を仮説的に設定した。それらに従い空間の連結形状を系統的に分類し,その中から選択した形状を被験者に体験させ,空間構成の把握の仕方を調べるための模型組立実験と,空間内部における位置や姿勢の把握の仕方を調べるための方向指示実験を行った。
 その結果,各変数が増えるに従い実験の誤りが増える傾向が明らかになり,それらの変数を空間認知の難易に影響する要因として今後の実験で扱う妥当性が確認できた。また,曲折における回転移動により身体軸が回転しているにも関わらず,それを認識せずに誤った方向指示をしたり,空間形状の再構成では,身体軸を中心とした相対座標系と,出発点での姿勢を基準にした絶対座標系を混同することがあることが明らかになった。
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経路移動時の方向把握に身体運動感覚と視覚情報が及ぼす影響

<日本建築学会大会 学術講演梗概集(D-1),Pp.789-790,2000年 9月> 山本絹子,添田昌志,大野隆造

 本研究は、経路移動時における方向把握の2種の異なる方略として、移動に伴う身体運動感覚に基づく 自己中心的な系による把握と空間に方向性を与える視覚情報に基づく客観的な系による把握があると考え、方向把握に身体運動感覚および視覚情報が及ぼす影響について検証することを目的とし、実空間における経路探索実験を行った。
 その結果、同一平面内における比較的単純な経路を移動する際には、身体運動感覚に基づき自己中心的な系で方向を把握することができ、 それを手がかりとして正しい経路選択ができること、客観的な系による方向把握には冗長な視覚情報が有効であることが明らかになった。


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上下方向の移動を伴う経路探索に関する研究

<日本建築学会計画系論文集 No.516, Pp.87-92,1999年 2月> 大野隆造,串山典子,添田昌志

 本研究は、階段やエレベータ等による上下方向への移動が、 方向の把握や経路探索行動に及ぼす影響を検証することを目的とし、 大学の校舎と百貨店において経路探索行動実験および方向指示実験を行った。 その結果、上下方向の移動によって方向を見失う場合があること、方向喪失時に周辺環境から 情報を得ることによって正しい方向を再認識できる場合があること、階段やエレベータなど上下 方向の移動手段の違いによる影響は他の環境条件の影響に比べて小さいこと、正しく経路選択を進める ためには周辺環境の変化に応じて幅広い種類の情報を利用する必要があることが明らかになった。

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空間寸法および構成要素の定量的分析による移動空間の分節化〜旧山邑邸におけるケーススタディー〜

<日本建築学会大会 学術講演梗概集(E) Pp.1145-1146,1994年 9月> 山田哲也,大野隆造

 本研究は、屋内の段階や廊下などの連続した移動空間における雰囲気の変化を空間寸法や仕上げといった種々の空間構成要素の変動により明らかにすることを目的とす。
 F.L.ライト設計の旧山邑邸を研究対象とし、実測調査により作成した図面から移動観察点を中心軸(直線)として周囲の構成面を描き直し、それを基に諸要素の変化プロフィ-ルを求め、各要素の属するカテゴリ-ごとに変化点を読み取り、それらを総合して移動空間の分節化を試みた。
 その結果、変化点の分布から、変化点の少ないまとまった空間と変化点が密な移行帯が抽出され、さらに各要素で異なる変化のリズムによるずれが雰囲気の多様性を生みだしていることが明らかになった。

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