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研究紹介>環境>室内

少年院の寮室における窓周りの計画に関する研究

<日本建築学会計画系論文集, Vol. 80, No. 710, pp. 803-811, Apr. 2015>野口 智美,大野 隆造

 本研究は、法律に基づき人を収容する矯正施設のうち、刑務所や少年刑務所と異なり主に保護処分とされた少年を収容して矯正教育を授ける少年院に関して、 新しい少年院法公布(平成26年)により社会的耳目を集めているが、建築分野においては施設発展の手がかりとなる研究が極めて少ないため、その教育効果向上に寄与し得る施設建築の実現に向けた基礎資料を得ることを目的とした。
 本論文では、少年矯正施設の変遷を通した少年院の理念の把握に基づき、居室と屋外空間との関連に着目して、窓からの景色と窓格子の設えを可変とした実物近似の模擬寮室での評価実験により、矯正教育の施設建築として在室者の意識からみた少年院寮室の提案を行った。

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高速道路休憩施設のトイレにおける待ち位置選択に影響を及ぼす空間的要因

<日本建築学会計画系論文集, Vol. 80, No. 713, pp. 1547-1555, Jul. 2015> 伊藤 佑治,山本 浩司, 添田 昌志,諫川 輝之,大野 隆造

  本研究は,高速道路休憩施設のトイレにおける待ち行動に着目し,空間構成の異なる複数のトイレにおける観察調査を行った。その結 果から,利用者の待ち位置決定に至る行動モデルについて,人間の心理を踏まえて考察した上で,現状の空間的な課題について整理した。さらに,それらの課題を解消した仮設実験を行い,利用者のス トレス低減につながる安定的な待ち位置を提供するための空間的な指針についてその妥当性を確認した。これらの結果は,単に高速道路休憩施設のトイレにとどまらず,商業施設等の待ち行列が発生す る他の施設においても応用が期待できるものと考えられる。

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ログセンサーを用いた高速道路休憩施設のお手洗いの利用実態把握

<日本建築学会技術報告集, No. 44, pp. 203-206, Feb. 2014> 伊藤佑治, 山本浩司, 添田昌志, 大野 隆造

  本報告では、ログセンサーを用い、トイレの利用実態を自動的に計測、把握する手法を開発した。その結果、混雑の程度に関わらずブースの利用率に大きな偏りが生じており、トイレの平面形状によっては空きブースがあるにもかかわらず待ちが発生する状況があることが確認されたこと、 利用率に偏りをもたらす要因の一つとして分岐点における見えが影響していることなどが示された。

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視覚情報が方向の再認識に及ぼす影響

<日本建築学会大会 学術講演梗概集(D-1),Pp.791-792,2000年 9月> 添田昌志,大野隆造

 本研究は、HMDを被った被験者が模型空間内を自由に擬似歩行できる視環境シミュレータを用い、 建物内部(図書館)の2層にわたる経路においてエレベータによる上下方向の移動直後の地点における空間に方向性を与える 視覚情報を系統的に変化させた3つの設定の元で経路探索実験を行った。
 その結果、個人の経路探索の成績の良し悪しは 環境から手がかりとして抽出する視覚情報に依存し、空間に方向性を与える視覚情報として窓の配置は色の異なる壁面の配置に比べ より多くの人に有効であることを明らかにし、分かりやすい空間としては、個人の特性と環境のあり方による違いを考慮した上でより 多くの人に有効な視覚情報を配置する必要があることを示した。

  

 
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ガラス面を構成面にもつ空間の囲まれ感に関する実験的研究

<日本建築学会大会 学術講演梗概集(D-1) Pp.759-760, 1998年 9月> 原啓一郎、添田昌志、大野隆造

本研究は、近年、多数見られる透明建築の透光性・透視性に着目し、多くのガラス面により構成される空間が人間の心理、特に囲まれ感にどのような影響を与 えるかを把握することを目的とする。人間は頭部の回転や身体の移動を通して三次元的に空間を知覚しており、特に光沢があり、像を映し込むガラス面の知覚の 上でそれが重要である。そこで、知覚と行動が連動する視環境シミュレータを製作し、ガラス面の配置と構成を系統的に変化させた全15通りの縮尺模型空間を 対象に、昼間・夜間を想定し光条件を変えて、マグニチュード推定法による空間の囲まれ感の評定実験を行った。その結果、被験者の感じる囲まれ感と物理的な 空間構成との関係を定量的に明らかにした。
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英語版  → PAPER1998


室内空間に対する予期図式と「落ち着き」評価に関する研究(その1,2)

<日本建築学会大会 学術講演梗概集(E-1) Pp.773-776,1997年 9月> 志水隆之,松田好晴,大野隆造

 本研究は、建築空間の「落ち着き」に関する評価と「居間らしい」といった各自が部屋の用途ごとに持つ予期図式との関係を実験的に明らかにすることを目的とする。実験では空間の用途が異なる5種35枚の室内写真及びその画像を分割した上でランダムに配置して形態情報を除いたものと、線画化して色・テクスチャーの情報を除いたものの3パターン、合計105枚(3×35)の刺激を作成し、「落ち着き」に関する評価と各自が予期図式として持つイメージとの類似度を回答させた。その結果「落ち着き」の評価は個人ごとに異なるが、各自の予期図式に基づく「部屋らしさ」の判断との心理的距離が小さい程高いという点で共通していることが明らかになった。

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