研究紹介>心理・行動コンセプト>環境行動>避難行動
住民の地域環境に対する認知が津波避難行動に及ぼす影響―千葉県御宿町の事例から― |
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<日本建築学会計画系論文集, Vol. 79, No. 705, pp. 2405-2413, Nov. 2014>
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諫川輝之, 大野隆造 |
津波災害は沿岸域で発生するため、住民の避難行動も地域の地形や道路網などの物理的環境に対する認知に影響を受けると考えられる。
本研究では、東日本大震災において大津波警報が発令された千葉県御宿町を対象としてアンケート調査を実施し、津波時における避難実施の判断、避難場所・経路選択の実態を地域の環境と対応させながら詳しく分析するとともに、事後的に調査した環境認知構造との関連を考察した。
その結果、避難実施の判断は自宅の位置によって大きく異なっていたが、標高や海からの距離に関する認知は実際の空間とはずれていた。また、避難場所の選択は高さや近さ、指定の有無など様々な要因によっており、環境に対する認知が関係していた。さらに、海に近づく・川を渡るなどの危険な避難経路が多数選択されており、その一部は環境認知の歪みが影響していることが明らかになった。以上の結果をもとに、効果的な津波避難対策のための提案を行なった。
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津波発生時における沿岸地域住民の行動 ―千葉県御宿町における東北地方太平洋沖地震前後のアンケート調査から― |
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<日本建築学会計画系論文集, Vol. 77, No. 681, pp. 2525-2532, Nov. 2012>
諫川輝之, 村尾修, 大野隆造 |
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東北地方太平洋沖地震における甚大な津波被害を受け,人々の意思決定や行動の実態を把握し,防災対策の見直しに反映させていく必要がある。
本研究では,筆者が2008年に津波を想定して避難行動の意向等についてアンケート調査を行なった千葉県御宿町を対象として,前回調査との比較も行ないながら,今回の地震直後に沿岸地域の住民が実際にとった行動を個々人の状況や時間的な前後関係に着目して詳細に把握し,それらに影響した要因を明らかにする。
事前の想定質問に対して示された意向と実際の行動との大きな差異から、いわゆる「意識と行動の乖離」が明らかになり、また津波に関する情報を取得し緊急事態と認識しても,多くの人が避難しない傾向が示された。さらに,住民の行動は地震時にいた場所により異なること,避難以外の根源的な欲求に基づく様々な移動行動が見られることを指摘し,今後の防災対策において考慮すべき内容を示した。
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火災時の避難意思決定に影響を与える要因
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<日本建築学会大会 学術講演梗概集(A-2)pp. 289-290, 2007年 8月> 日比野雅之、大野隆造 |
火災時に人が何らかの異変を察知しても速やかに避難行動が生起しない場合があり、これが避難の遅れる一因であると考えられる。このような避難開始の遅れは避難者の置かれた状況が、避難意思決定に何らかの影響を与えることによって生じると考えられ、避難意思決定の遅れに影響を与える避難者の置かれた状況、要因の解明が必要である。
本研究では火災時に、人が何らかの異変を察知した時点から避難意思決定に至るまでの段階に着目し、火災発生時の状況が避難者の避難意思決定にどのような影響を与えるのかを明らかにするため、火災時に避難者の置かれた状況として、1)与えられた異変に関する情報、2)その場を離れづらい状態であるか否か、3)他者の行動の3
要因を取り上げ、これらの要因がどのような影響を及ぼすのかを実験によって明らかにする。
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