研究紹介>心理・行動コンセプト>環境マネジメント>防災
仮想環境システムを用いた地震災害に対する防災教育ツールの構築
−都市地域の防災施設の調査から得られた子ども向けの防災教育への提案− |
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<日本建築学会大会 学術講演梗概集(A-2),Pp.421-422,2006年 9月> 柳 在鎬、添田昌志、大野隆造 |
地震発生時に適切に判断し行動するには、どのような状況になり得るかを疑似体験させる防災教育が有効であると言われている。従来から疑似体験装置として実物の小部屋を揺らすシステムがあるが、その製作費用やけがの危険性、繰り返し行う手間などの問題点がある。特にいわゆる災害弱者(高齢者、障害者、子ども)を対象とする防災教育や緊急時の行動を研究するためには安全性が重要である。このような問題点は仮想環境システムを利用することで改善できるところが多い。また、あらかじめ制作した映像シミュレーションが用いられる場合があるが、これは受動的な映像観察となり地震の現実感に欠ける。地震発生時の状況を再現するために没入型VR 環境を用いれば、状況設定の変更が容易であり、観察者の行動がフィードバックできるインタラクティブでよりリアルな地震発生時の状況が再現できる。
また防災教育においては、参加者の興味を誘発することにより学習効果が大きいと考えられる。そこで、本研究では没入型VR 環境を用いて、地震発生時の室内で起こり得る状況を表現可能な臨場感の高い震災シミュレーションシステムを構築すると同時に、一方で低レベルのシステムでの再現性をテストすることにより、より広く普及可能な防災教育ツールの開発を行う。
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都市に住む子どもの地震に対する災害意識 |
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<日本建築学会大会 学術講演梗概集(F-1),Pp.773-774,2005年 9月> 奈良至麻、添田昌志、大野隆造 |
昨今、我が国では甚大な被害をもたらす地震の発生が高い確率で指摘され、住民一人一人が適切にその危険性を受け止め防災対策を行うことが求められている。地震に対する災害意識の持ち方について大人と子どもを比較すると、大人の場合には複数の情報を総合的に判断し、具体的な対策行動に移すことができるが、情報の収集や理解、判断能力が未熟な子どもの場合にはこのような判断や行動は期待できない。地震災害の危険性を高く意識し過度に深刻に受け止めている場合には、周囲の大人がその不安や恐怖を軽減することが求められ、適切な防災教育を行う必要がある。反対に危険性を低く意識している場合にも、どのような被害の可能性があるのか理解させる必要がある。本研究では、子どもが、地震災害の危険性をどの程度として受け止めどのような知識やイメージを持っているのか、また、家庭で行っている防災対策や防災に関するコミュニケーションについて保護者の認識と比較し明らかにする。
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